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韓国への輸出管理強化

津田栄


 7月1日に、日本は、大量破壊兵器にも転用可能なフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の韓国向け輸出管理を厳格化することを発表、4日から実施した。当然、この3品目は韓国にとっては、有機ELディスプレーや半導体製造に必要な材料であり、ほぼ日本からの輸入に頼ってきたものである。ただ、これは、あくまでも輸出の運用管理の厳格化であって、輸出を規制するわけではない。

 それだけに、韓国は、やっきになって日本を非難して「輸出規制」の中止を求め、先日開催されたWTO一般理事会でも日本避難を繰り返したが、報道によれば世界からは賛同を得なかったようだ。そして、韓国はアメリカにも訴えて、アメリカの力で日本の「輸出規制」をやめさせようとしているが、トランプ米大統領はお互い望むなら仲介してもよいと言いながら、アメリカとしては積極的にこの問題を解決しようとは思っていないように見える。

 個人的に思うに、この韓国への輸出管理厳格化は、日本が自己判断したように見えるが、これを実施するうえで日米韓の連携に問題が生ずることは明らかであり、その問題をアメリカに相談しないで実施したとは思えない。むしろ、相談したというよりは、アメリカから韓国への輸出管理の厳格化を求めてきた可能性もありうる。

というのも、今アメリカにとってイラン問題、北朝鮮問題が大きな問題であり、大量破壊兵器への材料が、日本から輸入した韓国がそのままイランや北朝鮮に近い国に輸出したと捉えたからではないだろうか。なぜなら、厳格化する理由として不適切な事案が見られたとして、他国への輸出を窺わせることを匂わせているが、こうした情報を日本が掴めるとは思えず、情報収集に長けたアメリカからもたらされた可能性があるからだ。しかも、G20での日米首脳会談の後直ぐに発表されたのも、それを裏付けているような気がする。

そう考えると、日韓の貿易摩擦は、今後激化することはあっても、緩和することはない。この三品目を生産している企業にとっては、韓国への輸出の減少が長期化すると考えられ、以前のような業績への回復は、当面望めないであろう。また日韓での企業の連携にもひびが入り、IT関連企業は、新たなサプライチェーンが再構築されるまで世界経済に影響を与え、企業業績に影を落とすことになろう。


Tsuda Sakae
経済評論家(WASEDABOOK)

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