米中貿易戦争の先には

津田栄 

 これから、不定期だが、日本の金融為替、株式などを中心に政治経済のコラムを書いていく。

 最近、米中の貿易摩擦が激化している。相互に関税を掛け合って止まるところがなく、もはや貿易戦争といってもいいかもしれない。市場を見る関係者は、どこかで折り合いがつくと期待しているが、果たしてそうなるだろうか?

 アメリカは、オバマ政権までは、中国を世界貿易に組み入れて取引を拡大していけば、いずれ民主化が進展し、自分たちと同じ民主主義に立った資本主義国になると考えてきた。しかし、中国は、そうは考えていなかった。中国は、今の共産党一党独裁を維持しながら、民主化を排除し、国の経済発展につながる部分は資本主義を取り入れるものの、他国との競争においては、勝つまでは国が支援してでもやるという考えで、これまでやってきた。つまり、中国は、国家が資本主義に介入し管理する国家資本主義という立場を取り、欧米の民主主義のもとで自由な競争が保障される自由資本主義と対峙してきたのである。

 アメリカは、トランプ政権になって、ようやく中国の意図が見えてきた。これは、民主主義を基盤とする自由資本主義国への挑戦だと見えたのではないだろうか。つまり、やはり共産主義国は変わらない、お互い相いれない存在だということだ。そう考えれば、トランプ大統領は、旧ソ連が崩壊したように、中国が共産主義を捨てるまで、圧力をかけ続けることになろう。それは、どちらが行き残るかの最終戦だといえる。

 そう考えると、アメリカが中国とどこかで折り合いがつくという甘い考えを持つべきではない。これからは、関税の掛け合いだけでなく、どちらの陣営に着くか選択を迫られ、世界貿易の取引は、長期的に縮小するかもしれない。そうなると、輸出を中心にしている企業は厳しい試練を迎えることになる。そして株式市場は、長期的な下落のもと乱高下することになる。今は、甘い考えを捨て、株式市場の嵐が落ち着くのを待つ方が賢明ではないだろうか。

Tsuda Sakae
経済評論家(WASEDABOOK)

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