緊迫するホルムズ海峡と株価

津田栄 

 6月13日、ホルムズ海峡で、日本を含む2隻の船舶が攻撃された。それを受けて、一時原油価格が上昇、株価にも影響を与えたが、それも一瞬だった。そして、20日アメリカの偵察機をイラン革命防衛隊が撃墜した。それでも、アメリカの株式は新高値を更新している。

 しかし、この問題は、根が深い。そもそも、ホルムズ海峡で問題が起きることは、昨年アメリカがイランとの核合意から離脱し、禁輸措置をこの5月にすべての国に適用した時から予測されていた。それは5月12日にサウジのタンカー2隻を含む計4隻がホルムズ海峡入り口で攻撃を受けた時から、始まっている。

アメリカとイランは、79年のイラン革命時にテヘラン米大使館占拠事件以来、お互いに信用できず、これまでも厳しく非難し合うも、それでも自制がきいてきたが、トランプ大統領が誕生してから自制がきかなくなっている。アメリカとしては、テロ輸出をやめないイランが潰れるまで戦おうと考えている。その背景には、キリスト教・ユダヤ教とイスラム強硬派のシーア派とは相容れない存在と、お互いに思っているからである。

それでも、以前であればアメリカは石油の輸入国であったために中東の安定を望んでいたが、今は自国のシェールオイルで十分に賄える状況となっているため、中東の安定にあまり気を遣わず、強気になっている。イランは全面禁輸でもはや経済的困窮のために我慢の限界が来ている。そして、アメリカはそれを待っているかのようである。ここまで来ると、いつホルムズ海峡にて大規模な戦闘が起きてもおかしくない。トランプ大統領は、話し合いのチャンスがあるといっても、一段とイラン制裁を強めていては、話し合いは難しくなっている。

もし、高まる緊張の中、アメリカとイランとの間で、偶発的に戦争が起きれば、ホルムズ海峡は、戦場となり、封鎖されることになる。その中で一番の被害を受けるのは、日本である。日本は、中東からの原油依存率は、実に8割に達しており、一時的でも中東からの原油がストップすれば、日本経済は、一時的にダウンする可能性がある。当然株価は、大幅下落となる。最近の株式売買金額が2兆円を割る閑散相場なのはこのことも一因といえる。当面は、問題が少し落ち着くまで株式相場には静観しているしかない。

Tsuda Sakae
経済評論家(WASEDABOOK)

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